【はじめに】
1968年に全国に371番目の青年会議所として創立され、これまで先輩方が「英知」と「勇気」と「情熱」を絶え間なく注ぎ、「明るい豊かな社会」の実現を目指し築き上げてきた五泉青年会議所は、昨年に55周年という節目を迎え名称も改め五泉阿賀青年会議所としてスタートしました。
時代の変化に生きる我々は、過去を学び、今を知り、目の前の課題に追われながらもその足を歩み、挑戦を続けてなければなりません。先人たちが果たしてきたように我々は伝統を継承しながら、新たなものを創造することが求められており、我々に課せられた使命であると意気に感じながら持続可能な社会の実現のために、未来への挑戦を続けていきます。
【未来にむけて】
近年、全国的にJCの会員数は減少の一途を辿っています。我々、五泉阿賀JCにおいても新入会員の入会が年々減少しており、一昨年まで23名いた会員は今、11名、2年で半数以上の会員が卒業され、このままいけば次の60周年を迎える前に五泉阿賀JCが消滅してしまう危機的状況におかれています。会員拡大はJC運動を行っていく上でも、地域社会を活性化して、魅力あるまちにしていくためにも必要不可欠です。また、会員数が多くなるということは、より多くの会員と出会いの機会となり、多種多様な価値観をもった志高き会員同士が切磋琢磨することで自己成長の機会も増え、組織の成長につながるだけではなく、このまちのためにもなると考えています。
JCの魅力は関わりがない方には伝わりづらく、明るい豊かな社会の実現を目指しまちのため、ひとのために全力で努力をしている素晴らしい団体と自負しています。JCの活動の過程は自分自身の成長の機会に恵まれ、運動を通じて会員同士で育む友情は非常に深い絆で結ばれます。ここで培った出会いや経験は生涯の財産になることでしょう。すべての会員がこの価値を再確認し、多くの方々に会の魅力を伝え、共感してもらわなければ会員拡大はできません。60周年へとつながっていくように会員拡大を行う気概を途切れさせず、会員全員で取り組む仕組み作りを築きます。これから魅力ある多くの仲間とつながっていく未来を信じて、会員拡大に全力で挑戦していきます。
【ひとづくり】
JCの一番の魅力は『ひとづくり』です。『心』をもって活動していく中で、地域の未来を創る青年経済人や地域のリーダーとなる『ひと』を育成していく組織がJCです。私にとっての理想のリーダー像とは、誰かを深く想い、芯のある明るい理想を持ち、ポジティブチェンジ、発想の転換で自ら進んで挑戦をする人です。そこから能動的に動き、まわりを巻き込むリーダーシップをもって活動していくことができるひとこそ、地域に必要とされる人財となると考えます。我々は「To provide leadership development opportunities that empower young people to create positive change」 (青年会議所は、青年が社会に より良い変化をもたらすために リーダーシップの開発と成長の機会を提供する)を使命とし、社会に必要とされる組織として、このまちの明るい豊かな未来のために進化を続けていかなければなりません。
組織としての進化を考えるとき、先ずは組織を構成する人について考えることが重要です。なぜなら、組織マネジメントの第一人者であるP.F.ドラッガーが著書「マネジメント」で「マネジメントとは、人にかかわるものである」と提唱したように、いかなる組織もその中心は人であり、人の成長こそが組織の成長、そしてまちの発展へとつながるからです。
そこで注力するのは、全ての会員が進むべき方向性を理解すること、また、一人ひとりがどのように成長したいのか、もしくはどのように成長して欲しいのか期待値を合わせること、そして対話を行うことです。これにより、会員が相互に成長を助け合い、そして認め合うことによる成長の可視化を行い、内発的動機付けによる成長を促し、このまちの未来を担うリーダーを育成します。
【まちづくり】
私たち人間はひととの関わり合いの中で生かし、生かされています。その中でJCメンバー一人ひとりが地域社会の一員であることを自覚し行動することが大切です。私たちの求める社会の開発とは、明るい未来へ向かっての新しい可能性をつくり出していく運動です。人口減少や若者の流出など、現状の問題解決の糸口を考え、その一歩を踏み出します。明るく希望あふれる未来をつくり、守り続けていきたいのは我々JCも行政も地域住民も共通の想いであり、地域の皆様や行政・各諸団体と協力し率先して行動に移すことで、誰もが輝ける持続可能なまちを築いていけると考えます。会員のため、地域のために覚悟をもって挑戦していきます。そして、各種団体の会議やイベントにおいて地域の人々と連携し、五泉阿賀JCは地域に活力を与える団体であり続けるよう取り組んでいきます。
【こころづくり】
我々、五泉阿賀JCは毎年、青少年の健全育成を目的にわんぱく相撲を開催しています。子供たちには、国技である相撲を通じて、勝つよろこび、負ける悔しさを感じてもらい、勝者へはそれを称える心を、敗者へは思いやりの心をもってもらうこと、そして、礼節を重んじ、目標をもつことの大切さを感じてもらうねらいがあります。歴史と文化の継承である相撲道には、日本人として忘れてはならない精神が数多く宿っています。神が宿るとされる土俵に対する畏敬の念とそこから生まれる礼儀。また、勝って驕らずの精神から見える潔さと相手への敬意を払う気持ち。それら「心・技・体」のすべてを磨き上げていく修養の道であると考えます。日本人が古くから美徳としてきたものを常に念頭に置きながら、これらを伝承していくために、わんぱく相撲を通じて、健全な精神と肉体を培っていただきたいと思います。相撲は喧嘩ではない、本気のぶつかり合いの中で是非、体で感じて学び、あいさつや礼節についての心の部分もしっかり伝えていきたいと思います。わんぱく相撲五泉場所においては地域や行政、学校のご協力の下、大勢の子供たちから参加をいただいています。この事業をさらに広く認知いただけるためにも、新たな手法を取り入れ、多くの方にご理解、参加いただけるような大会を目指していきます。そして今年は7年ぶりにわんぱく大会県大会が五泉の地で開催されます。主管としての責任を会員全員が自覚し、新潟県内の子供たちのために感動のあふれる大会にしていきます。
【結びに】
2018年にJCに入会し、尊敬する先輩方や仲間たちから多くのものをいただいてきました。それは教訓であったり、経験であったり、思い出であったりと本当に様々です。生き方が大きく変わったといえば大げさかもしれませんが、人生を決める分岐点があるとすれば、きっと私は今の人生を選んで良かったと信じていますし、JCが人生の道しるべとなっているように感じます。
私たち青年世代は誰しもが、何かを変える力を秘めています。JCという場所はいつの時代であっても青年らしく、情熱をもってまちを変えようと何ごとにも挑戦できる場所です。私たちが主体性をもって運動を起こし、そこに多くの共感が集まれば、未来をも変えていけます。1949年、戦後の焼け野原から経済復興と国際社会への復帰を夢見て、自ら率先してまちづくりに取り組んだ青年会議所があったように、いつの時代であっても未来をつくり出すことができるのは青年です。
本年度57代理事長の職を任せていただくにあたり、これから訪れるすべての機会に前向きに捉え、勇気をもってチャレンジしていきます。今ここにない未来を共に創ろう。
≪2024年度 基本方針≫
・未来にむけての会員拡大
・会員の意識向上と資質の開発
・笑顔と感動を与える青少年育成